子宮筋腫は、子宮の筋組織にできる良性腫瘍です。厚生労働省の調査(2011年)によると、30~40代の日本人女性の4人に1人が筋腫をもっているといわれていますが、子宮筋腫自体を原因に命を落とすことはありません。
しかし、子宮筋腫は、過多月経、生理痛、不妊や流産の原因となりうるため、超音波検査によって発見の機会をつくるとよいでしょう。これからご妊娠を望まれる方は、子宮頸がん検査を受けるときにあわせて経腟超音波検査も受けて頂くことをお勧めします。
経腟超音波検査は子宮筋腫だけでなく、卵巣の疾患や子宮内膜症の診断につながります。いずれも子宮頸がん検査(子宮頸部細胞診)ではわからない疾患です。子宮頸がんを調べる検査と、子宮筋腫などを確かめる検査は異なりますのでご注意ください。
子宮筋腫をしらべる方法は、超音波検査、子宮内視鏡検査、MRIなどがありますが、一次検査としては経腟超音波検査が一般的です。イーク丸の内・表参道・有楽町・紀尾井町の人間ドックや婦人科検診、子宮がん検診では、経腟超音波検査が標準項目として検査に加えられています。
子宮の内側に向かって筋腫ができるため、子宮内膜に筋腫の栄養血管が露出し、月経時などに大出血を引き起こす原因となります。加えて、重度の貧血を引き起こし、粘膜下筋腫には手術が選択されます。また、受精卵が着床しにくくなり、不妊症の原因となります。
※当院では手術療法を実施しておりません。
子宮壁をつくっている平滑筋という筋層内にできる筋腫です。子宮筋腫のうち、筋層内筋腫が大きな割合を占めております。小さいものですと、ほとんど症状が出ませんが、大きくなりますと月経時の経血が増えたり、不妊の原因となったりすることがあります。
子宮壁の外側に向かって大きくなっていくため、稀に子宮から突出してしまうことがあります。過多月経や貧血といった症状が出ないため、気が付かないことがあります。漿膜下筋腫が大きくなると膀胱や直腸など他の臓器を圧迫し、頻尿や便秘をおこすことがあります。
出典:日本産科婦人科学会ホームページより引用
(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kinshu.html)
子宮筋腫は、女性ホルモンの作用によって大きくなっていきます。そのため月経のある間は少しずつ大きくなり続け、閉経後は少しずつ小さくなります。
子宮筋腫は位置や大きさによっては不妊や流産のリスクが高まったり、月経の出血量が多くなり、貧血を起こすこともあります。
子宮の内側にできた場合は重い生理痛や過多月経などの症状を引き起こすことがあります。しかし、痛みの程度や月経血量は他人と比べることが難しいため、子宮筋腫を疑って婦人科を受診することはあまりないかもしれません。
一般的に子宮筋腫は症状を自覚しにくいと言われ、特に子宮筋腫が子宮の外側にできた場合など、自覚症状がないまま大きくなっていき、5センチ以上の筋腫でも気づかないことがあります。
子宮筋腫は症状を自覚しにくいタイプもあるため、定期的な検診が大切です。
子宮筋腫は月経がある間は女性ホルモンの影響で大きくなっていき、閉経後は少しずつ小さくなります。治療にあたって「何センチ以上で手術を」といった明確なガイドラインはありません。 子宮筋腫による症状が日常生活に及ぼす影響、妊娠出産の予定、閉経までの期間などを考慮し、筋腫の状態をみながら治療方針を決定していきます。
早期発見することで、ご本人の人生設計を考慮し、日常生活や妊娠・出産に及ぼす影響を抑える治療が可能です。子宮筋腫が小さいうちは自覚症状がほとんどないため、定期的に健診を受けることをお勧めします。
子宮筋腫は人それぞれできる場所や大きさが違いますので、色々な検査方法があります。主な検査方法は以下の通りです。
内診とは腟内に指を入れて卵巣や子宮の状態を確認する検査方法です。触診とも呼ばれます。外側からは確認できない筋腫の大きさや位置、凸凹など直接腟内や子宮内にしこりがないかどうか調べます。この検査ではすべての子宮筋腫を発見することは出来ません。小さいもの、内側にあるタイプなどは内診だけで見つけられないことが多いため、経腟超音波検査の併用をお勧めします。
貧血検査とはいわゆる血液検査です。血液検査によってヘモグロビンの数値を確認し、貧血状態にあるかどうかを調べます。
超音波エコー検査は経腟超音波検査と言われ、腟内にプローブと言われる細く長い器具を挿入し、超音波を当てて腟内、腹腔内の状態を確認する方法を行います。子宮筋腫の大きさや数、位置や種類に加え、卵巣に異常がないかも発見できますので、ぜひ子宮頸がん検査の際に合わせて超音波検査を受けて頂くことをお勧めします。
経腟超音波検査では腟内に細長い器具を挿入するため、多少の違和感や痛みがある方もいらっしゃるかもしれません。イークでは、ご安心いただけるよう経験豊富な女性医師、女性スタッフがお声をかけながら検査を行いますので、リラックスしてご受診ください。
上記の内診や超音波検査で子宮筋腫が発見され、さらにその大きさや位置を正確に調べる必要があるときに行う検査です。イークでは必要な時に検査専門の医療機関をご紹介しております。
子宮筋腫が発見されても全ての方にすぐに治療が必要ということではありません。良性の小さな子宮筋腫の場合は経過観察となることもあります。
治療が必要な子宮筋腫がある場合には、筋腫の状態とご本人の希望やライフプランに応じてホルモン療法などの薬物療法や手術の必要性を検討します。
子宮筋腫の治療で行う薬物療法には対症療法とホルモン療法の2つがあります。
子宮筋腫によっておこる症状を薬によって軽減します。
強い月経痛が起こった時に痛みを抑える目的で使用します。 同時に胃腸に強い症状が起こることもあるため、症状が出たら医師に相談してください。
貧血の対策として使用します。飲み薬で効果が出ない方には静脈注射によって直接鉄分を体内に注入する方法もあります。
ホルモン療法は、子宮筋腫の成長を促すとされているエストロゲンを調整することにより子宮筋腫の成長を妨げる、または症状を和らげる治療法です。
ホルモンを直接コントロールするため高い効果が期待できる一方、ホルモンバランスが不安定になって副作用をきたすことがあります。
卵巣から出るエストロゲン(女性ホルモン)の分泌量を低下さ せて閉経状態を作るホルモン剤です。低エストロゲン状態が生じるため生理もなくなり、子宮筋腫の成長が抑えられ筋腫がある程度小さくなる効果も期待できます。また月経痛や貧血などの症状も楽になります。しかし閉経状態になることによって、更年期障害と同じ症状が出てしまうことがあり、特に胃への影響を考慮して長期にわたる使用が出来ません(6ヶ月以内)。 以前は点鼻薬も使われておりましたが、現在は4週間に一度皮下に注射をうつ方法が主体となっています。
使用をやめると子宮筋腫は元の大きさに戻ることも多く、6ヶ月を1クールとしてくりかえし使用するケースもあります。閉経が近い年齢であれば時間を稼ぐのに有効な手段と言えます。
妊娠時と同じ状態を作り出し、排卵を抑えるホルモン剤です。 ピルはエストロゲンとプロゲステロンを配合した薬ですが、低用量ピルの場合はエストロゲンの配合量が少ない(50μg未満)ため、プロゲステロン作用が優位になって、子宮筋腫の症状改善に効果があります。
ただし副作用として血栓症、一時的な吐き気、体重増加などがおこりえますので、医師の指導のもと服用する必要があります。
下記5つの治療方針があります。当院では手術療法を実施しておりませんので予めご了承ください。
妊娠の希望及び妊娠の予定がない上に、子宮としての役目を終えた場合の治療方法です。開腹、腹腔鏡、腟側からの操作のみによる腟式の術式がありますが、近年は腹腔鏡手術が一般的です。腹腔鏡下子宮全摘術は病変の大きさや可動性の有無などを考慮して実施します。
妊娠の希望及び予定があり、妊娠の可能性のある方を対象とする手術方法です。ピンポイントに子宮筋腫の部分だけを取り除く方法で、妊娠に必要な子宮体部を残すことを考慮した手術です。発生部位、大きさや数などを考慮し、開腹手術か腹腔鏡手術かを選択します。子宮を残すため、子宮筋腫が再発することがあります。
子宮腔内に突出したあまり大きくない粘膜下筋腫が対象となります。子宮筋腫の大きさや内腔への突出する程度によって手術をするかどうかが決まります。
子宮内に器具を挿入しマイクロ波によって子宮内膜を壊死させる方法です。子宮筋腫自体を治療する手術ではないため、子宮筋腫の縮小などは期待できません。低侵襲で、過多月経などの症状緩和が期待できる手術ですが、妊娠を望む場合やその予定のある方には行うことができません。
鼠径部から血管内にカテーテルを挿入し、血流を遮断することで子宮筋腫を縮小させる方法です。対症療法として期待できますが、治療後に疼痛、感染、発熱、倦怠感、卵巣機能低下など合併症を併発するおそれがあります。また妊娠する機能も低下することが報告されています。合併症などさまざまな理由により手術が困難な場合や、緊急で出血のコントロールが必要な場合などに選択される手術です。
子宮筋腫が発生する原因は現在十分解明はされておらず、予防方法も確立されておりません。一つわかっていることは、女性ホルモン、特にエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響で子宮筋腫が大きくなることです。
栄養バランスが悪い、極度の運動不足、ストレスを多く抱えるなど、ホルモンバランスを崩す生活習慣があれば、控えていただく事をおすすめいたします。
早期発見することで、子宮筋腫をそれ以上大きくしないための予防方法はいくつかあります。子宮筋腫を小さいうちに発見するために、定期的に健診を受けることが有効です。最初のうちは自覚症状がなく気づきにくいこと、また、他の子宮の病気の早期発見にもつなげることができるため、ぜひ意識して検査を受けることをお勧めします。
また、子宮筋腫の原因は女性ホルモンにあると考えられているため、ホルモンバランスを整えることも重要です。ホルモンバランスが崩れると、月経周期の乱れや生理不順を引き起こします。ホルモンバランスを正常に保つには、偏った食事を避ける、緑黄色野菜や鉄分の摂取を心がける、食物繊維(セロリやキャベツ、海藻類)の摂取を積極的に採り入れることが重要です。冷えやストレスもホルモンバランスを崩してしまう原因の一つです。ゆっくり湯船につかる、暴飲暴食をしない、適度に体を動かすことが精神的・身体的なストレスの緩和に繋がります。月経周期を整え、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンと上手に付き合っていくことが大切です。
無症状であることが多いのですが、それ以外には「生理痛、生理の量が多い、血の塊が混じる」などといった症状がでます。出血が多いことが原因で、貧血状態に陥ると、顔色がわるくなり、立ちくらみ、動悸、倦怠感を伴うようになります。また、筋腫は大きくなると膀胱や骨盤内の臓器を圧迫することがあるので、「尿が近い、下腹部が重苦しい、腰や下肢が痛みしびれる」などの症状を引き起こすがあります。
ごくまれに、子宮筋腫とよく似た症状がでる「子宮肉腫」という「がん(悪性腫瘍)」が発見されることがあります。
超音波画像診断など、通常の婦人科検査や症状の観察で子宮筋腫と子宮肉腫を区別することができません。
子宮にできる癌の代表は子宮頸癌(しきゅうけいがん)と子宮体癌(しきゅうたいがん)の2つです。これらの子宮癌以外にごくまれに「子宮肉腫」という「がん」が発見されます。
転移等で命取りになりかねないできものを一般的には「がん」または「悪性腫瘍」といいます。
この「がん」には「癌」と「肉腫」の2種類の呼び方があります。
癌 :皮膚や臓器の表面から発生してくるものを「癌」と呼びます。
肉腫:表面よりなかの組織から発生してくるものを「肉腫」と呼びます。
子宮筋腫が小さく無症状であれば妊娠・出産が可能です。子宮筋腫が原因となって、妊娠しにくくなったり、流産しやすくなったりすることはたしかにありますが、近年では初産年齢があがっており、子宮筋腫のある妊婦さんはおります。また、妊娠初期に必ず経腟超音波検査を行いますので、小さい筋腫も簡単に見つかり、早期に治療方針を立てることができます。
妊娠中には子宮筋腫は必ず大きくなります。赤ちゃんの成長と共に子宮は大きくなります。それに伴って子宮筋腫も女性ホルモンに反応して大きくなります。子宮筋腫は妊娠中期に痛むことがあり、流産や早産を心配される方がおりますが、臨床統計的には流産や早産に直結するものではないことが分かっております。ただし、筋腫の位置やその大きさによっては逆子などの原因となることがあります。帝王切開が必要になるかどうかなどについては、妊娠末期の筋腫の位置と大きさによるため、経腟分娩が可能かどうかなどは妊娠経過をみて判断されることになります。
発症のピークは30歳代後半です。発症の要因は、性交渉により感染するHPV(ヒトパピローマ・ウイルス)にあると考えられています。
乳房には乳がん以外にもさまざまな病気や症状があります。たとえば線維腺腫といわれる症状は10代~30代にも起こりやすい傾向があります。
日本人の平均閉経年齢は50歳です。閉経年齢前後の約10年間、卵巣の機能が低下し始め、最終的にその機能を停止するまでの時期を更年期といいます。その時期 や症状には個人差があります。
丸の内・有楽町・表参道・紀尾井町共通
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※9時~10時台はお電話が集中し、特につながりにくい時間帯となっております。
ご不便をおかけして誠に申し訳ございませんがつながらない場合は少しお時間をあけて再度おかけ直しいただけますようお願い申し上げます。
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