子宮頸がん検査の結果が
「要精密検査」だった方へ

子宮頸がん検査の結果が「要精密検査」だった方へ

子宮頚がんの検査で異常を指摘された方は、お近くの婦人科外来におかかりください。自覚症状がないから、検査が痛そうだから、なんとなく恐いからなど、さまざまな理由で再検査を受ける機会をのがしてしまっている方も中にはおられるのではないでしょうか。
子宮頸がんの再検査・精密検査で今の状態をより詳しく知ることで、必要に応じた今後の適切な診療方針をたてることができます。

子宮頸がん検査の結果の読み方

子宮頸がん検査のClassⅢa、ASC-US、HSILとは?

これまで子宮頸がん検査の結果は、「クラス(Class)」という分類方法で表されていました。その後2008年より「ベセスダ・システム」という分類方法が導入されました。新しい分類方法により、異常の程度をより正確に伝えられるようになったと考えられています。
現在、まだその移行の時期にあたるため、現在当院では2つの分類を記載しております。 扁平上皮細胞で6段階、腺細胞で3段階に分類されます。異常なしの場合でも一年に一度の検査をお勧めします。 *癌の進行具合を表記するステージ(Stage)分類とは異なります。
下記は、Class分類とベセスダ・システム分類の比較です。

扁平上皮細胞

NILMClassⅠ
ClassⅡ
陰性異常なし:1年後の定期検診をお勧めします。
ASC-USClassⅡ意義不明な異型扁平上皮細胞ハイリスクHPV検査をお勧めします。
ASC-USClassⅢa意義不明な異型扁平上皮細胞HPV陽性の方は、コルポスコピーをお勧めします。
ASC-HClassⅢa
ClassⅢb
HSILを除外できない
異型扁平上皮
コルポスコピー・生検をお勧めします。
婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。
LSILClassⅢa軽度扁平上皮細胞コルポスコピー・生検をお勧めします。
婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。
HSILClassⅢa
ClassⅢb
ClassⅣ
高度扁平上皮細胞コルポスコピー・生検をお勧めします。
婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。
SCCClassⅤ扁平上皮がん婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。

腺細胞

AGCClassⅢ腺異形または腺痛疑いコルポスコピー・生検をお勧めします。
婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。
AISClassⅣ上皮内腺痛コルポスコピー・生検をお勧めします。
婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。
adenocarcinomaClassⅤ腺痛コルポスコピー・生検をお勧めします。
婦人科医師のコメントに従いお近くの医療機関を受診してください。

分類がASC-USの場合

まずハイリスクHPV(ヒトパピローマウイルス)の存在を確認します。その検査方法は、子宮頸部の粘液の採取です。検査を受ける方にとっては、子宮頸がん検査のときと同じ感覚のはずです。

ハイリスクHPVの検査結果が陽性の場合

ウイルスの存在が認められる場合は、次に「コルポスコピー検査」と「組織診」をお勧めします。

ハイリスクHPVの検査結果が陰性の場合

子宮頸がんを引き起こす原因となるウイルスがいない場合、子宮がん検診で「異常なし」の結果だった方と同じ扱いになります。現時点でそれ以上の精密検査は不要です。これからも年1回の子宮頸がん検査をつづけて頂くことをお勧めします。

分類がASC-US以外、または分類の記載がなく再検査の指示があった場合

子宮頸がん検査で異常が出た場合、次の段階の精密検査として「コルポスコピー検査」と「組織診」を行います。このふたつの検査は通常同時に行われます。

コルポスコピー検査について

コルポスコピー検査とは、拡大鏡を用いて映し出される子宮の入口(頸部)をモニターで観察します。
さらに所見を明確にする処置の後、再度観察し病変が強い場所を特定します。

組織診について

組織診では、コルポスコピーで観察をしながら所見が明らかな部分の組織を数か所つまみとります。
つまみとった組織を病理検査することで診断を確定します。出血を伴いますので、検査当日は激しい運動や入浴(シャワー可)は控える必要があります。

※検査の内容、流れについては医療機関により異なります。
受診された医療機関様のご案内をご確認いただきますようお願い致します。

よくあるご質問

Q:コルポスコピー検査・組織検査に痛みはありますか?

A:個人差があります。違和感を覚えることはありますが、多くの方は痛みを感じることなく終了します。コルポスコピーで観察しながら組織を2mmほどつまみとるため、多少の違和感はあります。

Q:事前に知っておくべきこと、注意することはありますか?

A:組織をつまみとるため検査後は少量の出血があります。検査による出血を助長させないように、検査を受けた日は激しい運動や入浴(シャワー可)、飲酒を控えて頂きます。検査後にタンポンによる圧迫止血に併せて止血剤も使用しますが、出血は数日~1週間ほどつづくこともあります。